グルメ/ワイン

ピエモンテ山岳地方の食文化は、伝統に強く結びついています。そのうちの代表的なものを御紹介しましょう。 まずはチーズから:ヴァル・ペッリチェでは、サラス・デル・フェンSARAS DEL FEN。 干し草に包んで熟成させた円形のリコッタチーズで牛、ヒツジ、ヤギのミルクを混合してつくります。 デザートとして、ブルーベリーやサンブーコ、ハチミツなどをつけて食べたり、パスタと合えたりして食べます。 ヴァル・サンゴーネでは、チェブリン・ディ・コアッツェCEVRIN DI COAZZE 香り高くヘーゼルナッツの味がする柔らかくクリーミーなチーズです。牛とヤギの混合ミルクからでき、チェブリンとよばれる直径18cm以下の型に入れて作ります。ヴァッリ・ディ・ランツォには、牛のミルクを熟成してつくるトーマ・ディ・ランツォTOMA DI LANZOというとてもおいしいチーズがあります。 ハ ム、ソーセージ関係では、アルタ・ヴァル・ディ・スーザの生ハムがあり、伝統的な山の特産物です。レシピは変わっていて、まず豚の腿肉から骨を取り、コ ショウ、細かくきざんだ草、白ワインのなかに20日間漬け込みます。その後、肉を乾かし塩をつけ豚の腸でしっかりと包みます。一定期間放置した後、ワイン で洗い15から16ヶ月熟成させます。草の芳香、コショウとワインの香り高いハムです。 ヴァル・ペッリチェの特産物は、ムスタルデッラMUSTARDELAです。サラミの一種で、豚を屠殺後血液をとり、様々な部分(頭、舌、肺など)のひき肉と混ぜます。そして塩、胡椒した後豚の腸に詰め、少し茹でます。薄く切ってパンと食べたり、茹でてじゃがいものピューレやポレンタとともに食べます。 お酒としては、ジェネピGENEPI が挙げられます。何種類かのアルテミジアまたはジェネピーと呼ばれる現在保護対象となっている植物をアルコールにつけてつくります。この植物は、花崗岩と氷河のモレーンの間で育ちます。 ハチミツの生産も盛んです。山の長い伝統に基づくこの産物は、昔ながらの方法で花の種類によってアカシア、菩提樹、栗、山の花ミックス、シャクナゲがあります。 お菓子として、甘いグリッシーニ、トルチェッティ・ディ・ランツォTORCETTO DI LANZO があります。表面を薄くカラメル加工し、しずくの形に曲げます。 この地域のワインは、多種でそれぞれに特徴がありどれが一番おいしいかを特定するのは難しいです。カナベーゼ地域には、この土地で収穫される白ぶどう品種エルバルーチェからできるエルバルーチェ・ディ・カルーゾErbaluce di Calusoがあります。辛口の白ワインで少し苦味があります。同じ品種からできるカルーゾ・パッシートCaluso Passitoは、ビロードのような舌触りの甘口のワイン、カルーゾ・スプマンテCaluso Spumanteは、フルーツの香りが高い発泡ワインです。赤ワインカレーマCaremaは、ネッビオーロ種からつくるまろやかながらボディがしっかりしたワインです。カナベーゼ地域では、白、赤、ロゼ、バルベーラ、ネッビオーロワインをつくっています。 トリノ周辺の丘には、甘口の赤ワインで風味のよいマルヴァージアMalvasiaとアルコール度が低く甘口で飲み口のよいカーリCariがあります。